(営業時間:9時30分~18時30分 定休日:水曜日+火曜不定休)
待ち時間:—
「ケーキをここで食べていってもいいですか?」
店内の椅子とテーブルを指して、そう言われるお客さまが結構いらっしゃるようになりました。
1984年の9月、商売を始めてまもなくの頃です。
そのうち、口コミで、遠方よりいらっしゃる方も増えてきました。
手があれば、お茶を出したりもしていましたが、とても不十分でした。
オープンから18年が経ち、お店や工場も手狭になってきたちょうどその頃、隣の八百屋さんが廃業することに。土地と建物を譲ってくれるというのです。
せっかく来ていただいたお客さまに、もっとゆっくりくつろいでケーキを召し上がっていっていただきたい…と、ずっと思い続けてきました。それまで、お菓子づくり一筋に働いてきましたから、この機会に店舗と工場を拡張して心機一転、もっと自分たちのやりたい新しいことをやろうと思いました。
それには、まずはお客さまに今まで以上に魅力を感じていただけるように、またゆっくりお茶やお菓子を楽しんでいただける空間をつくりたい。
うちの奥さんと相談して、カフェを始めることにしました。
ケーキ屋ならではの素敵なカフェにしよう
設計はお菓子業界の物件を多く手掛けていた大阪の会社にお願いし、ゆったりとした空間で、カジュアルな中にも、ラグジュアリー感のあるオープンな建物にしていただきました。
以前自分が勤めていた日吉の「ぶどうの家」へ従業員と研修に行き、ドリンクやサービスの方法を学んで、月替わりのアシェットデセールを出したり、紅茶はたっぷりポットでサービスしました。
夏はケーキが売れなかったので、コーンのジェラート、カップ詰めアイスクリーム販売も始めることにしました。
でも、にぎわったのは、カフェ開店1カ月くらい。物珍しさが一段落するとだんだん暇になり、秋、冬には1日数組程という日も続き、ジェラートや、アシェットも続けられず、3年間はとても苦労しました。
今思えば、いくら繊細で凝ったアシェットデセールを作っても、ドリンクの種類を充実しても、当店のお客さまの希望ではなかったのだろうと思います。
ヒラノカフェの一番人気は、いろいろなパフェ!
カフェで売上が上がるようになってきたのは、パフェに本腰を入れ始めてからです。もともとジェラートや生クリームの味には自信があったので、お客さまの目を引くような魅力的な『パフェ』を10種類くらい作って春から100円引きのセールをしたところ、連日にぎわうようになりました。また数年後、ワッフルも始めて人気メニューになりました。
2012年には店舗前の駐車場を確保してカフェをリニューアル、客席も増やしました。
カフェのリニューアルにあたって駐車場の花壇、お庭も含め心安らぐ空間にしたいと考えました。
ガーデン担当の奥さんが心を込めて手入れをして、季節の花で皆さまをお迎えしています。
お客さまが日常からちょっと離れて、気軽に、ゆったりとお菓子との楽しい時間を過ごしていただける場所になれたらいいなというのが、私たち夫婦の願いです。